アジア太平洋マネジメントからのお知らせ

新年のご挨拶

謹 賀 新 年

旧年中のご厚意に心より御礼申し上げますと共に、謹んで新年のお慶び申し上げます。

平成19年よりサブプライムという得体の知れない金融用語を耳にする機会が増え、平成20年9月15日にリーマン・ブラザーズがチャプター・イレブン(連邦破産法第11章)の適用を申請しました。これが俗にいう、リーマン・ショックです。リーマン・ショックより12年が経過した令和2年は、コロナ・ショック一色の一年となりました。

リーマン・ショック時と同様、自助努力では如何ともし難い外部環境の急激な悪化により、財務構造が脆弱な中小零細企業の資金繰りは行き詰まりを見せ、破産申請を行うことなく、実質的に支払不能状態に陥っている会社・事業所数は、相当数に上っていることが予想されています。更に今後は、コロナ禍に於けるセーフティーネット関連借入金の返済猶予(据置期間)が終了すれば、返済財源の枯渇した会社・事業所より、破産若しくは実質的な破産状態に陥ることとなります。

特別な資金調達手段を持たない中小零細企業が、このような状態を回避するために必要なことは、業況が好調な際の内部留保の多寡に依ると考えます。経営は投資と回収、そして再投資のプロセスであると例えられますが、経営は投資と回収、そして留保と再投資のプロセスと考えます。投下した資金の回収を待たず、又は留保というプロセスを経ることなく、投資(事業)資金を主に負債で調達し、良好な外部環境に乗じて投資を繰り返せば、外部環境の悪化時に資金繰り破綻を来すことは、キャッシュフロー構造上も必然です。

本年は、中小零細企業にとって勝負の一年ではなく、淘汰の一年となると考えます。新型コロナウィルスの感染拡大により、財務構造・キャッシュフロー構造及び内部留保が元々脆弱であった企業は、今後は益々淘汰が加速します。良好な環境時に投資と留保のバランスを確保し、環境の悪化時には留保により耐え忍ぶ。環境が再び好転した際は、コンペティター(競合企業)の数は淘汰により減少され、従前以上のマーケットを獲得出来ます。

企業経営に於ける持続的発展(Sustainable Development)を財務構造的に追求し、投資と留保、利益とキャッシュフローの整合性を担保した経営コンサルティング業務を、本年も継続致す所存でございます。本年も、皆様方のご指導・ご鞭撻を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

令和3年1月1日
アジア太平洋マネジメント
代表 青木道生